京都といえば古都の旅であるが、それに加えて任天堂ファンだけの小さな旅もある。創業から百年を超える老舗企業でありながら今も業界を率いる世界的有名企業、任天堂の歴史を歴代の社屋を眺めて味わうのである。
任天堂の歴代社屋は京都駅周辺にあり、徒歩でも1時間程度あれば巡れるだろう。交通網(近鉄京都線、JR奈良線、京阪本線)を使えば、より短縮できる。
任天堂のウェブサイトに記載がある通り、社屋は観光地ではなく企業活動の拠点のため見学不可である。また初代本社は丸福楼という宿泊施設になっているため予約なしには入れない。社屋を巡る際には、くれぐれも任天堂や近隣住民の迷惑とならないよう努めていただきたい。また写真撮影の際には自動車等の往来に充分注意し、事故のないようにされたい。
京都駅から徒歩17分。または京阪本線の七条駅から徒歩6分。所在地は「丸福楼」公式サイトの住所表記によれば「京都市 下京区 正面通 加茂川 西入 鍵屋町342番地」。「正面通 加茂川 西入」は、正面通りと加茂川(鴨川)の交差点を西に進んだ所という意味。同じ町名が複数ある京都ならではの通り名表記である。同じ場所だが「正面通 木屋町 東入る」(正面通りと木屋町通りの交差点を東に進む)という別の表記方法もある。
玄関には左右にプレートがあり、所在地の表記は「京都正面大橋西」、英字表記のプレートでは「SHOMEN-DORI OHASHI, KYOTO, JAPAN.」とあり、当地のすぐ東の鴨川に掛かる正面橋が正面大橋もしくは正面通りの大橋と呼ばれていたことを思わせる。
所在地は「京都市 東山区 福稲上 高松町60番地」。最寄り駅は京阪本線 鳥羽街道駅。住宅が並ぶ奥まった所にあり、その横の鉄道と地下道が相まって、なんとも不思議な感覚に満ちた場所である。ファミコンなど任天堂の名を世に広く知らしめた製品が数多くここで開発されたものと思われる。
出入り口のある塀の端には「1954 任天堂骨牌株式会社」の石碑が埋め込まれている。
以前(2013年時点)は敷地の左側にある細い道を回り込むと、漢字で書かれた任天堂ロゴの看板を見ることができた。現在は看板を掲げた建物自体が無くなっている。
所在地は「京都市 南区 上鳥羽 鉾立町11番地1」。最寄り駅は地下鉄烏丸線 十条駅。久世橋通と2本の道が交差する巨大な交差点に面しており、すぐ見つけられるだろう。2000年~2010年代にかけてニンテンドー3DSなどの製品がここで開発されていたものと思われる。
付近からは隠れて見えない少し小さな上階がある。以前(2013年時点)は少し離れると漢字表記の「任天堂」の看板を見ることができた。この看板は、Googleストリートビューで確認したところ2014年4月まではあったが2015年5月には無くなっている。
2014年当時の任天堂はウェブサイトや製品パッケージがまるで米国アップル社を思い起こさせるものだったが、その白く質素で清潔な印象がこの現本社の外観からも感じられる。
2014年初頭、本社の近くに本社開発棟が完成した。規則正しく並ぶ窓ガラスが印象的だ。
2022年4月、現在の本社に隣接する土地を任天堂が新たに取得した。「本社第二開発棟」が建てられるそうだ。2025年1月時点では囲いが確認できたのみで、建造の様子は覗えなかった。