MacでUSTREAMの配信

この文書は、アメリカのリアルタイム動画配信サービス「USTREAM」(ユーストリーム)を使って、Mac OS X(マック・オーエス・テン)で動画をライブ配信(生放送)する方法について説明しています。

USTREAMの準備

既にUSTREAMにログインできる場合は、この章を読み飛ばして「Macでの主な配信方法」をご覧ください。

USTREAMでの配信には、USTREAMのユーザー登録が必要です。利用登録をしていない場合は、USTREAMのトップページ右上にある「ログイン」をクリックし、Facebookのアカウントでログインするか、USTREAMのユーザー登録をしてください。ここではUSTREAMで新規にユーザー登録する手順を紹介します。

「Ustreamにログイン」の画面が中央に表示されるので「アカウントを作成するにはこちら」の「こちら」をクリックします。

サインアップ画面が表示されたら、各項目を入力します。「ユーザ名」は後で変更できないので注意してください。その他の項目は後で変更できます。

ユーザー登録を済ませたら、USTREAMのページ右上にある青色の配信ボタンで、いつでもすぐにライブ配信を行えます。

初回のライブ配信では、「番組名」「カテゴリー」「番組情報」を入力する画面が表示されます。配信画面に表示したい情報を入力してください。この情報は後で変更できます。

「新しいUSTREAMブロードキャスターにようこそ!」が表示された場合は「新しいUSTREAMブロードキャスターを始める」をクリックします。

Macでの主な配信方法

無料で始められる主な配信方法として、この文書では以下の3つを扱います。配信したい内容に応じて、どの方法を使うか検討してください。

標準の配信機能による配信

USTREAMにログインした状態で、ページの右上にある配信ボタン(ビデオカメラマークの青いボタン)を押すと使える、最も手軽な配信方法です。投票機能の他、配信に必要な最低限の機能が揃っており、Macの内蔵マイクと内蔵カメラ(FiceTimeカメラ, FiceTime HDカメラ, iSight)を使うだけならばこれでも充分です。ブラウザ(Safariなど)でAdobe Flash Playerによって動作するため、USTREAMの配信を見られる状態であればソフトウェアの準備は不要です。

詳しくは「方法1: 標準の配信機能による配信」を参照してください。

USTREAM PRODUCERによる配信

USTREAMが配布しているアプリケーション「USTREAM PRODUCER」をMacにインストールして使う方法です。Macに保存してある映像や音声の配信、画面の複数表示(子画面の表示)などが可能です。追加でインストールできる「Desktop Presenter」の併用により、Macのデスクトップ画面とシステム音声も簡単に配信できます。より高機能で有料の上位版「PRO」「STUDIO」もありますが、この文書では無料版について説明します。

詳しくは「方法2: USTREAM PRODUCERによる配信」を参照してください。

CamTwist、Soundflower、LadioCastの併用

映像効果のCamTwist、音声ドライバのSoundflower、音声ミックスのLadioCastを使用する方法です。CamTwistの映像やLadioCastの音声を、USTREAM PRODUCERに送り出す構成になります。操作がかなり複雑になりますが、USTREAM PRODUCERより多彩な映像効果を表示したり、Macのシステム上の音声をマイクの音声と同時に配信したりできます。

詳しくは「方法3: CamTwist、Soundflower、LadioCastの併用」を参照してください。

方法1: 標準の配信機能による配信

標準の配信機能は簡単に使えます。他の配信方法を使う前の基礎として、一通りの操作に慣れておくとよいでしょう。

  1. USTREAMにログインした状態で、ページの右上にある配信ボタン(ビデオカメラマークの青いボタン)を押す。配信用のウインドウが表示されたら、元々のUSTREAMの画面は閉じてよい。「Adobe Flash Player設定」が表示された場合は「許可」ボタンを押す。
  2. 歯車ボタンを押すと設定パネルが開く。入力が「FaceTimeカメラ(内蔵)」(FiceTimeカメラ, FiceTime HDカメラ, iSight)、「内蔵マイク」になっていることを確認する。
  3. 「配信開始」ボタンを押すと配信が始まる。終了するには「配信停止」ボタンを押す。
配信時の注意については「ライブ配信中の注意」を参照してください。

方法2: USTREAM PRODUCERによる配信

配信の前にUSTREAM PRODUCERをダウンロードして、Macにインストールします。もちろん一度インストールしておけば、いつでも起動してすぐに配信できます。

  1. USTREAM PRODUCERを起動する。起動直後は「ブランクショット」が選ばれているので、画面下部にある「カメラ」を選ぶ。
  2. カメラの映像が映っていることを確かめる。もし映っていなければ、USTREAM PRODUCERの画面中央の右にある、ソース(四角マークに▼)のボタンを押し、内蔵カメラが選ばれていることを確かめる。
  3. Mac内蔵のマイクに声を出すか音を出して、画面右にある音量メーターが反応することを確かめる。もし反応しないときは、音量メーターの下にあるスピーカーマークのON/OFFを確認する(その下のヘッドホンマークはMacへの音声出力ON/OFF)。また、画面中央の右にある、オーディオソース(スピーカーマークに▼)のボタンを押し、内蔵マイクが選ばれていることを確かめる。
  4. 「配信の開始」ボタンを押すと、ライブ配信が始まる。ライブ配信を終えるには「配信の停止」ボタンを押してからUSTREAM PRODUCERを閉じる。

USTREAM PRODUCER画面中央の左にあるDesktop Presenterボタン(液晶画面マークに▼)を押すと、Macの画面やシステム音声を配信できるようになります。「このコンピューターで Desktop Presenter を起動」を初回に選んだ場合は「Desktop Presenter」をインストールします。一度インストールしておけば「Desktop Presenter」をすぐに起動できます。

Desktop Presenterが起動すると、Macの画面右上にウインドウが表示されます(ウインドウ内の文字が文字化けしている場合がありますが機能に問題はありません)。「Capture Audio」にチェックを入れると、音声もUSTREAM PRODUCERで配信できます。

配信時の注意については「ライブ配信中の注意」を参照してください。

方法3: CamTwist、Soundflower、LadioCastの併用

USTREAM PRODUCERにCamTwist(カムツイスト)、Soundflower(サウンドフラワー)、LadioCast(ラジオキャスト)を併用すると、より多彩な構成の配信が可能になります。ただし操作が複雑になるため、システムの構成をよく理解する必要があります。

まず3つのソフトウェアをMacにインストールしておく必要があります。

CamTwistのインストールと設定

  1. 以下のサイトにある最新版の「CamTwist-x.x.dmg」をダウンロードする。(サイト上部の「DOWNLOAD」でダウンロードページを開ける)
  2. ダウンロードしたファイルを開き「CamTwist.pkg」を実行し、インストールする。
  3. 「アプリケーション」フォルダの「CamTwist」フォルダにある「CamTwist.app」を起動する。
  4. 「Step 1」の欄で「Desktop」(Macの画面)または「Webcam」(内蔵カメラ)を選んで、左下にある「Select」ボタンを押す。「Select」ボタンの代わりに「PIP」ボタンを押すと幾つもの映像を同時に表示できる。
    「Step 3」の欄にある「Save Setup」ボタンを押すと、現在の設定状態に名前をつけて保存できる。
  5. メニューバーの「CamTwist」にある「Preferences...」を開き、「General」タブの内容を設定する。以下は例。
    • 「Frame rate」を「23」fps (USTREAMで使う場合)
    • 「Video Size」を「320*240」
  6. メニューバーの「Tools」にある「Preview」を開き、Macの画面が映っているのを確認する。確認したらアプリをメニューバーから終了する。

Soundflowerのインストール

  1. 以下のサイトから最新版の「Soundflower-x.x.x.dmg」(バージョン番号が大きいもの)をダウンロードする。
  2. ダウンロードしたファイルを開き「Soundflower.mpkg」を実行し、インストールする。

LadioCastのインストール

  1. 以下のサイトから最新版の「LadioCast-x.x.x.dmg」をダウンロードする。
  2. ダウンロードしたファイルを開き「LadioCast.app」をMacの「アプリケーション」フォルダにコピーする。

以上3つすべてのソフトをインストールしたらMacを再起動してください。再起動しないとUSTREAMの配信操作画面に以上のシステムが反映されません。

配信前の準備

CamTwist、Soundflower、LadioCastを併用してライブ配信を始めるときは、いつも以下の手順を行います。大まかな手順は、CamTwistの起動、Macのサウンド出力の変更、LadioCastの起動と設定、の3つとなります。

  1. 「CamTwist.app」を起動する。ウィンドウは閉じてもよいが、配信中はアプリを終了させないこと。この状態で映像のデータは、内蔵カメラやMacの画面など → CamTwist → USTREAM PRODUCER、という流れになる。配信する映像の切替えはCamTwistで行う。
  2. メニューバーのアップルメニューにある「システム環境設定」の「サウンド」を開く。「出力」タブを開き、「サウンドを出力する装置の選択」を「Soundflower (2ch)」に設定する。なお、このときMacのスピーカーから音は出なくなる。
  3. 「LadioCast.app」を起動する。LadioCastの「出力メイン」(旧版では「メイン出力」)を「内蔵出力」に設定する。これが内蔵スピーカー(モニタリング)への出力になる。
  4. 「出力 Aux 1」を「Soundflower (64ch)」に設定する(旧版では「Soundflower (16ch)」に設定。または「メイン出力」にある「Aux」タブを押し「Aux 出力」を「Soundflower (16ch)」に設定)。これがUSTREAMへの出力になる。
  5. LadioCastの「入力1」に「Soundflower (2ch)」を設定する。「メイン」と「Aux 1」(旧版では「Main」と「Aux」)両方のボタンを押し、入力1の音声がメイン(内蔵スピーカー)とAux 1(USTREAM)の両方に流れる状態にする。音量はツマミを左右にうごかせる他、ツマミの右にある「▲▼」ボタンでデシベル(db)を変えても調整できる。
  6. 内蔵マイクを併用する場合は「入力2」に設定する。「Aux 1」だけを有効にし、ハウリング防止のため「メイン」は無効にする。「入力3」など、使わないものは「N/A」に設定する。
  7. iTunesなどを再生して、音量のメーターが動き、Macのスピーカーから音が聞こえることを確認する。

上記の状態で音声は以下の流れになります。

SoundflowerでMacのシステム音を入力音として利用できるようにし、配信する音声をLadioCastで選択することになります。

システム音声の音量(Macのキーボードで変更できる音量)を調整すると、「Soundflower(2ch)」の入力音量も変わります。内蔵スピーカーから流れる音量だけを変えたいときは、LadioCastの「出力メイン」にある2つの音量調整ボタンで調整します。

ライブ配信の準備と開始

CamTwistやLadioCastは、必ずUSTREAM PRODUCERより先に起動してください。順序を間違えると、CamTwistで内蔵カメラを選択しても映像が映らない、LadioCastに音声が伝わらない場合があります。

Mac OS X 10.6までは、USTREAM PRODUCERではなくUSTREAM標準の配信機能でも問題なく使用できます。しかしOS X 10.7では、USTREAM PRODUCERの使用をお勧めします(OS X 10.8も同様の場合があります)。これはFlashで動作する標準の配信機能では、64bitで動作するSafariでは映像のソースに「CamTwist」を選択できない、Google Chromeでは映像は問題なくてもLadioCastの設定が反映されない等の問題があるためです。

  1. USTREAM PRODUCERを起動する。起動直後は「ブランクショット」が選ばれているので、画面下部にある「カメラ」を選ぶ。
  2. USTREAM PRODUCERの画面中央の左にある、ショットの追加ボタン(カメラマークに+がついたボタン)を押し、「Soundflower(64ch)ショットの追加」を選ぶ。
  3. 画面中央の右にある、ソース(四角いマークに▼)のボタンを押して「CamTwist」が選ばれていること、オーディオソース(スピーカーに▼)のボタンを押して「Soundflower(64ch)」(または「Soundflower(16ch)」)が選ばれていることを確認する。
  4. iTunesなどで音楽を再生してみて、LadioCastの各音量メーターが適切(最大音量が8割程度になるよう)になるよう調整する。LadioCastでの調整が済んだら、USTREAM PRODUCERの画面右にある音声メーターを確認しながら、メーターのすぐ右にある音量ツマミで調整する。システム音声はMacの音量ボタンでも調整できる。
    音声メーターの下にあるスピーカーマークは音の配信を一時的に消すボタンです。ON/OFFの状態を確認しましょう。ヘッドホンマークはMac本体への音声出力ON/OFFですが、LadioCastで「メイン音声」(スピーカー)に出力している状態では作用しません。
  5. 「配信の開始」ボタンを押すと、ライブ配信が始まる。ライブ配信を終えるには「配信の停止」ボタンを押してからUSTREAM PRODUCERを閉じる。
配信時の注意については「ライブ配信中の注意」を参照してください。

ライブ配信が終わったら

  1. メニューバーのアップルメニューにある「システム環境設定」の「サウンド」を開く。「出力」タブを開き、「サウンドを出力する装置の選択」を「内蔵出力」(またはライブ配信前の設定)に戻す。
  2. 「CamTwist.app」を終了する。
  3. 「LadioCast.app」を終了する。

ライブ配信中の注意