家庭用ゲーム機のソフトをサラウンドで楽しむ方法

この文書は、家庭用ゲーム機のソフトをサラウンド(マルチ チャンネル)で楽しむ方法について記したものです。説明は、掲載している各製品の仕様に基づいて記載していますが、特定のゲーム機と接続してサラウンド環境が実現できるかは、必ずメーカーに確認して下さい。

ゲームのサラウンドについて

1990年代に発売された家庭用ゲーム機ではステレオ再生(前方の左右からの音声出力)が一般的であった。しかし現在はサラウンドや立体音響と呼ばれる、マルチチャンネル音声出力に対応するゲームソフトが一般的になっている。Nintendo SwitchやPlayStation 4、Xbox Oneといった最新のゲーム機ではもちろんのこと、2000年に発売されたプレイステーション2の頃からサラウンドに対応しているゲームソフトは多数発売されている。

チャンネルについて

サラウンドにおける「チャンネル」は、スピーカーの数と考えるとわかりやすい。配置するスピーカーが多いほど音の方向がわかりやすくなる。

チャンネル(スピーカーの数)は一般的に「5.1ch」や「7.1ch」と表記される。この表記は、点で区切った左側が通常のスピーカーの数、右側が重低音のみを担当するサブウーファーの数を示す。例えば「5.1ch」であれば、通常のスピーカーが5つ、サブウーファーが1つという意味である。

サラウンド環境の構成例

ゲームをサラウンドで楽しむ方法は大きく分けて2種類ある。多数のスピーカーを置いてサラウンド対応AVアンプにつないでサラウンド構成を実現するか、バーチャルサラウンドで間に合わせるか、である。

サラウンド対応AVアンプと5.1chスピーカーによる構成(通称:リアルサラウンド)

サラウンドに必要な数のスピーカーと、そのスピーカーをつなぐためのAVアンプを設置する。サラウンドを実現するための一般的な方法である。製品の構成にもよるがおよそ4~10万円以上の費用と設置場所の確保が必要で、設置にも手間がかかるが、自然なサラウンドを素直に体感できるのが大きな利点だ。

具体的な設置方法は、当サイトの以下ページを参照して欲しい。SACDプレイヤーの代わりにゲーム機を接続すれば、サラウンド環境を構築できる。

液晶テレビの薄型化に合わせてBDレコーダーが奥行き20cm程度となっている時代だが、一般的なAVアンプは奥行きが30cm以上ある製品が大半で、さらに多数のケーブルを接続する必要があるため、テレビ周辺のどこにAVアンプを置くのか予め検討しておくことが望ましい。

なお、任天堂のWii U、Nintendo Switchは、HDMI接続による5.1chのリニアPCMの出力でしかサラウンドを楽しめない。AVアンプにHDMIの入力端子がついているか必ず確認して欲しい。PlayStation 4やXbox Oneはドルビーデジタルなど圧縮音声によるサラウンドに対応しているため、ゲーム機をテレビに直接HDMIでつないでおき、液晶テレビとAVアンプは光デジタル端子、もしくはARC対応のHDMIで接続することでサラウンドを実現できる。

なお、ハイレゾ音源の音楽再生を重視せず、とにかくサラウンドでゲームと映画を楽しめればよいのであれば、スピーカーのサイズが小さくて安価なものや、必要なパーツがすべて含まれている製品も選択肢に入れるとよい。また、サウンドバーとワイヤレス(Bluetooth)でリアスピーカーと接続できたり、サウンドバーの両端が分離できてリアスピーカーになる、といった比較的手頃に設置できる製品も存在する。

スピーカー5個とAVアンプを頑張って用意したリアルサラウンド環境でのスプラトゥーンは、バトルをとても楽しいものにしてくれる。バトル開始直後、後方から仲間の放つブキ特有の音やピチャピチャというセンプクの聞こえてくると、それだけで一緒に遊んでいる感じが高まる。ステージの中央で相手とドンパチやりあっているときは、そのサラウンド感によって、どの方向から誰かが何をしているか推測しやすくなる(音の主が仲間か相手かは状況で判断するしかないが)。バトルが優位になるとは言えないが、遊ぶ時間そのものがとても有意義になるのは間違いがない。

バーチャルサラウンド

液晶テレビの標準機能、もしくはサウンドバー(テレビの手前に置く横長のスピーカー)などによる擬似的なサラウンド。ステレオスピーカー(前方の左右)で擬似的にサラウンドを再現するバーチャルサラウンド技術でサラウンドを実現する。定位感(音の聞こえる方向の感覚)はリアルサラウンドに比べると弱いが、設置に手間がかからず設置面積も少なく済むのが利点。サウンドバーはテレビの手前に20cmほどの奥行きがあれば設置できる。

例えばソニーなら「S-Froce PRO フロントサラウンド」「S-Froce フロントサラウンド」「フロントサラウンド」、パイオニアなら「バーチャル3Dサウンド」などメーカーやグレードによって名称は異なるがバーチャルサラウンド機能に対応しているか、カタログの説明や仕様で確認できる。もし手持ちの液晶テレビにバーチャルサラウンド機能がついていれば、まずはそれを有効にして、HDMIで接続したゲームを遊んでみるところからサラウンドを体験してみると良いだろう。

なおリアルサラウンドの項でも説明しているが、任天堂のWii U、Nintendo SwitchはHDMI接続による5.1chのリニアPCMの出力でしかサラウンドを実現できないので、製品に直接HDMI入力が可能か必ず確認して欲しい。

製品によっては、対応するワイヤレススピーカーを増設することで、リアルサラウンド環境を実現できるものがある。ワイヤレスによる音声の遅延がないか検証が必要だが、リアルサラウンド環境のひとつとして検討しても良いだろう。

個人の感想にはなるが、ソニーの薄型液晶テレビ「KJ-32W700C」に搭載された「S-Froce フロントサラウンド」を有効にした状態で「スプラトゥーン」(任天堂 Wii U)を遊んでみると、音がどこから聞こえてきているのか、特に真横より前方についてはステレオ再生よりもわかりやすくなる。ゲーム開始時の広場で前方のタワーからの音が聞こえる状態で、ゆっくりカメラを回してみると聞こえ方を確認しやすい。

ただ真横より後方の音は、後方らしさを出すためか、ややこもった音に感じられる。また、真後ろの音は単にこもった大音量の音という感じになりがちである。特に、バトル中にプレイヤーキャラの真後ろでボムが炸裂したときの「ボンッ」という音だけ妙に大きく感じられる。

フロントサラウンド技術の上位版かと思われるソニーのAVアンプ「STR-DN1070」に搭載された「S-Froce PRO フロントサラウンド」の場合は、接続したスピーカー自体の表現力があることも手伝ってか、比較的後方からの音も自然に感じやすいが、やはり音がこもったように感じられる。リアルサラウンドとは、どうしても感じ方が大きく異なる。

騒音を気にせず一人で楽しみたいのであれば、バーチャルサラウンドのヘッドフォンを選ぶのも手である。