64DDユーザー調査報告

当サイトにて「64DDユーザー調査」というアンケートのページを設け、サイトを閲覧した64DDユーザーに回答してもらうことで、64DDおよびランドネットの利用実態を調査した。その結果をここに公表する。統計を知らない人間による調査および集計なので、不備が多くみられると思うが、ご了承願いたい。調査期間(アンケートページの設置)は、2002年11月4日から2003年11月4日までの1年間である。

回答者の割合

回答者の割合を、ここに示す。なおこの調査は、あくまで個人の運営するインターネットサイトを使って行われたものであるから、言うまでも無くインターネット接続環境が無くなったユーザーの意見や、当サイトを知らないユーザー、回答する気が起きなかったユーザーの意見は反映されていない。

今回の調査に回答していただいた回答者は51人。下記の公表内容は、無記入の回答を省いて集計してある。

年齢層

若い人がほとんどを占めている。NINTENDO64のユーザー層や会員費を自分で支払える層とみていいだろう。この調査は1年に及ぶものであったから、答えた当時と今では年齢層が違う人もいるかもしれない。

性別

明らかに男性が多い。64DDユーザーの多くが男性であるといっていいだろう。

地域

東京都に住む人が多かったのは人口密度のほか、ランドネットのアクセスポイントが当初は銀座にしかなかったことが影響しているのだろう。

ランドネットへの申し込み方法

ランドネットの元会員にのみお答えいただいた。ランドネットの申し込み方法で一番多かったのは、郵送とLoppi。Loppiとは、コンビニエンスストアであるローソンに設置された情報端末である。公式サイトを使った申し込みのほうが手軽であっても、手間の掛かる郵送とLoppiによる申し込みが多かったことは、それまでインターネット端末を有していないユーザーが多かったことを示しているといえる。

ランドネットへの申し込み日

ランドネットの元会員にのみお答えいただいた。1999年の受付期間は、受付初日の11月11日から12月31日までの一ヵ月半ちょっと。それに比べて2000年の受付期間は、1月1日から受付終了の10月31日までの10ヶ月。それを考えると、この1999年に申し込んだ人の多さと、2000年の少なさは、ランドネットの加入者数がいかに伸び悩んだかを象徴している。「会員の多くが1999年中に申し込んだ会員」という情報の確かさを裏付ける結果である。

ランドネットの入会コース

Aコースで入手できるNINTENDO64は、本体カラーがクリアブラックという特別製。それにもかかわらず、Bコースの会員が非常に多いということは、もともとNINTENDO64を持っている会員が多かったということか。もちろん、Bコースを申し込んだ上でNINTENDO64を別に買った人もいるかもしれないし、NINTENDO64を持っていてもAコースを選んだ人もいるかもしれない。

回答結果と考察

実際に送られてきた回答を集計し、ここに記す。

1. なぜ、ランドネットに入会しようと思いましたか？

この質問の回答者数は51人。ランドネット終了後に64DDを入手された人には、なぜ64DDを入手しようと思ったのかをお書きいただいた。記述式で回答してもらったものを分類した。複数の内容が書かれた回答は、それぞれの理由を1つの回答として扱った。

回答にはそれぞれ想いがこもっており、分類に苦慮した。「64DDソフトが魅力的だったから」の回答者数が飛び抜けて多かったことについては、64DDおよびその開発者の本望が叶ったとみていいだろう(処分のためにネット機器にされたわけであるし。ちなみに、魅力のソフトとして多く書かれたのは「裏ゼルダ」や「エクスパンションキット」であった)。次に「64DDやランドネットに期待してたから」が多い。これには、「夢があったから」「投資する気持ちで」といった回答も含まれている。面白いというか、やはりあったのが、「『危険な香り』がしたから敢えて」という回答。

2. ランドネットへ、どれほど接続しましたか？

ランドネット会員への設問。メール確認のみの接続は除いて回答していただいた。回答者は45人。

「まったく繋がなかった」と「ほとんど繋がなかった」の回答数は、ネットワークサービスとしては無視できない。これは、少ないアクセスポイントや嵩む通話料金、貧弱な独自コンテンツなどが原因であろう。また、64DDやソフトの入手だけが目的だった人も多いのかもしれない。

3. ランドネットに繋いだ主な目的は何でしたか？

ランドネット会員への設問。回答者は36人。記述式で回答してもらったものを分類した。複数の内容が書かれた回答は、それぞれの内容を1つの回答として扱った。なお、表中の「*」はランドネットの１コンテンツをあらわす。

「インターネットサイトの閲覧」が一番多かった。しかし総合的にみると、ランドネットのコンテンツを目的にしているものも多い。今回の調査で51人が回答したうち、この設問の回答者が36人ということにも注目。残りの15人は、ランドネットにまったく繋がなかった人と、ランドネット終了後に64DDを入手した人である。

4. ランドネットが終わって思ったことは、何でしたか？

ランドネット会員への設問。記述式で回答してもらったものを分類した。複数の内容が書かれた回答は、それぞれの思いを1つの回答として扱った。

入会理由と同様、回答の一つ一つにそれぞれの想いがこもっており、分類に大変苦慮した。記述式の回答なので一概には言えないが、全体的にみるとランドネット終了の早さに対する反応が多くみられる。「早く終わるおそれは充分考えられたが、どうせなら長生きして欲しかった」といったところだろうか。

5. ランドネット利用で、一番良かった事と悪かった事は？

一番良かったこと

一番悪かったこと

ランドネット会員への設問。記述式で回答してもらったものを分類した。ランドネットの「利用」とは直接関係の無い記述は「その他」となっている。複数答えられているものは、複数のうち一つを選出。

「良かったこと」として答えられた意見は、「ネット仲間ができたこと」であったり「マリオアーティスト作品の通信」であった。ランドネットのネットワークシステムは、各地に散らばる64DDユーザーを結ぶ使命を果たしたといえる。「その他」には、64DDそのものに対する意見が多かった。

「悪かったこと」として目立つのが、なんといっても通信環境への不満。ネットワークサービスとしては致命傷である。また、一年足らずでサービスが終了したこと、殆どの構想が未実現であったことに対する不満も多かった。「その他」には、64DDソフトの少なさや、欲しいソフトが未発売に終わった、という意見があった。

6. 64DDディスクのロード時間は長いと思いますか？

64DDは磁気ディスクを採用しているし、NINTENDO64カセットと比較されやすいから、どうなるかと思ったが。とりあえずネオジオCDには勝ったとみていいだろう。

7. 64DDディスクのセーブ容量は多いと思いますか？

ゲームをプレイする観点から答えていただいた。64DDの大容量ディスクという売りが、それなりに有効だったと見ていいだろう。ただ、『ポリゴンスタジオ』など、1つのデータ容量が多いタイトルを良く遊ぶ人にとっては、少なかったかもしれない。

8. メモリー拡張パック(ハイレゾパック)は余りましたか？

もともと『メモリー拡張パック』は、必要な人だけ買えば良いということで、コストダウンも兼ねてNINTENDO64には搭載されていなかったのだが、買い余ってしまってはどうしようもなかろうて。

9. もっともよく遊んだ(使った)64DD用ソフトは何ですか？

『巨人のドシン1』が最も多かった。ドシンのために世に出たとも言われる64DDならではの結果。その次に『F-ZERO X』のカセット必須という条件付の『エクスパンションキット』が多かったことは、ちょっと意外だったかもしれない。クリエイティブ過ぎないその内容が、多くの人に受け入れられた要因だろうか。「マリオアーティスト」シリーズでは、着せ替えという親しみやすさのおかげか『タレントスタジオ』に回答が集まった。『チッコ』と『ゴルフ』には、一票も集まらなかった。

10. 現在、あなたの64DDはどうなっていますか？

この調査結果には反映されていないが、64DDをネットオークションで買った人が居るわけだから、売った人もいるはずである。押入れにしまった人は、たまには押入れから出して遊んでやっていただきたい。なにはともあれ、捨てた人が居なくてひと安心。

まとめ

今回このような報告が出来たのは、当サイトで回答していただいた64DDユーザーの協力あってこそである。深く感謝すると共に、この報告が将来何らかの役に立つことを願う。

なお、今回の調査と平行して行なった「会員番号の法則性」についての研究であるが、会員申し込みが受理された順という推測を出す程度の結果しか果たせなかったことを、ここに記しておく。

• 更新:2006年6月25日

• 64DD研究所